2 わかりづらいこと その1 経営強化税制と固定資産税の特例の対象業種の違い
経営強化法に基づく支援措置は、様々なサイトで紹介されていますが、そもそも分かりづらいためか、
正しく書かれていない場合があります。
「全量売電は全て対象外」との記載が見受けられますが、実は違います。
それは、固定資産税の特例と経営強化税制では、対象となる業種に違いがあるためです。
経営強化税制は、指定事業を定めており、この中に電気業(全量売電は電気業)は含まれていません。
一方、固定資産税の特例では、設備の種類ごとに対象地域・対象業種を確認します。
一般に太陽光発電設備は機械装置にあたり、この場合、全国全業種対象です。
ということは、全量売電の場合、経営強化税制(国税)は適用されないが、
固定資産税の特例は適用となるということになります。
D運送様は、余剰売電のため、何れもクリアです。
3 わかりづらいこと その2 工業会等の証明書 全量用と余剰用
もう一つ、わかりづらいことがあります。証明書の発行機関です。
経営強化税制A類型及び固定資産税の特例の適用を受ける場合、
設備の機能について工業会等から証明書の発行を受ける必要があります。
太陽光の場合、設備の主要機器と言えばモジュールとパワーコンディショナーです。
このモジュールに関しては、同じ型番であっても、用途によって証明書の発行機関が違います。
全量売電用は日本電機工業会(JEMA)が、余剰売電用(自家消費含む)は太陽光発電協会(JPEA)が発行します。
経緯はよくわかりませんが、関係機関に確認したところ、棲み分けだそうです。
(因みに、パワーコンディショナーは、すべて日本電機工業会(JEMA)です。)
このあたりは、実際に手続を行うときに、戸惑うことの一つです。
D運送様は余剰売電のため、モジュールはJPEA、パワーコンディショナーはJEMAに依頼。
申請から取得までの手続きはスムーズでした。
4 スケジュール感
実際に手続をしてみたところ、工業会等の証明書は4-6週間、経
営力向上計画認定までは標準処理期間の30日程度で取得が可能なようです。(設備取得は認定後が原則)
この税制の適用期間は、平成31年3月31日まで。計画がある場合、
そろそろ具体的な計画を立てた方がいいかもしれません。
A類型で申請の場合、工業会等への証明書の申請を10月初旬までに行い、
年内に経営計画の認定取得と設備の取得を行えば、2018年中の適用が可能となります。
個人事業主と12月決算の法人は、このスケジュールをお勧めします。