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自立運転機能とは

 住宅用の太陽光発電設備を導入されたほとんどの方がご存知の自立運転機能。なぜ知っているの?と言われれば、災害時(停電時)に役に立つ機能として認知されていらっしゃるからでしょう。
私のお客さまでも「東日本大震災の時に携帯の充電が出来た」という方が実際にいらっしゃいます。これは、主に住宅用を中心としたパワーコンディショナに備わっている機能の1つで、停電時(電力系統と切り離された時)に太陽光発電設備から一定の電力を供給出来るようにする機能です。

 余談ですがこの自立運転機能、環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業)」における太陽光発電設備の導入条件の一つとなっています。

補助事業の概要を見てみますと本事業は、脱炭素化の推進や防災に資する太陽光発電設備と蓄電池を組み合わせたシステムのオンサイトPPAモデル等による設備導入等を支援することで、設備の価格低減を促進し、ストレージパリティの達成と災害時のレジリエンス向上を目指すものとあります。

端的に言えば、

  1. CO2排出量削減による脱炭素化
  2. 太陽光単独(または+蓄電池)の導入コストを系統からの電力調達コスト以下にする=グリッドパリティ(ストレージパリティ)
  3. 災害時でも一定の電力供給が出来る状態にする

ということですね。

どれぐらいの電力が使えるのか

 蓄電池を入れるならまだしも、自立運転機能でどれぐらいの電力が賄えるのでしょうか?たくさん太陽光パネルを載せていたら、その分だけたくさん電力を賄えると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この自立運転機能は全てのパワーコンディショナに備わっているわけではありません。
ここでは代表的なパワーコンディショナをいくつか見ていきたいと思います。

Huawei
出力:単相4.95kW
自立運転時:2.45kVA / 単相AC100V
→オプション(変圧器)を入れることでAC200Vにも対応可能、その場合の出力は4.95kVA。

安川電機
出力:三相9.9kW
自立運転時:6kVA / 単相AC200V
      3kVA / 単相AC100V
→三相200V(10kVA)にも対応しているようです。

デルタ電子
出力:三相16.5kW
自立運転時:3kVA / 単相AC200V
      1.5kVA×2 / 単相AC100V
→10kWを超える三相パワーコンディショナでは珍しく自立運転機能を備えています。

 これらの出力でどんなものが何時間くらい使えるのか?ということは別の機会で紹介したく思いますが、産業用で主力となってくる50kWや100kWのラインナップには自立運転機能は付いていないため、例えば300kWの太陽光発電設備を設置したとしても、使える電力はそのうちの一部ということになります。

ではなぜ付けないのでしょうか?
以前、とある日本メーカーに聞いたことがあります。
結論から言うとコストが合わないのだそうです。

主に50kW、100kW規模の中型パワーコンディショナのラインナップを揃えているのは海外メーカーですが、昨今事業撤退をしている日本メーカーが増えているように、この中型ラインではコスト競争に勝てないのです。

 ちなみに自立運転機能はPWM制御という方式で、通常(連系時)のMPPT制御とは異なります。
熾烈なコスト競争の上に、制御方式の異なる機能を追加することで更にコストが上がるということですね。

https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/image/upload/v1653611468/im01_kqg7y9.pnghttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/image/upload/c_crop,h_377,w_377,x_311,y_0/h_150,w_150/v1653611468/im01_kqg7y9.pngaltenergy今さら聞けないシリーズ法人発電蓄電連載自立運転機能とは  住宅用の太陽光発電設備を導入されたほとんどの方がご存知の自立運転機能。なぜ知っているの?と言われれば、災害時(停電時)に役に立つ機能として認知されていらっしゃるからでしょう。私のお客さまでも「東日本大震災の時に携帯の充電が出来た」という方が実際にいらっしゃいます。これは、主に住宅用を中心としたパワーコンディショナに備わっている機能の1つで、停電時(電力系統と切り離された時)に太陽光発電設備から一定の電力を供給出来るようにする機能です。  余談ですがこの自立運転機能、環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業)」における太陽光発電設備の導入条件の一つとなっています。 補助事業の概要を見てみますと本事業は、脱炭素化の推進や防災に資する太陽光発電設備と蓄電池を組み合わせたシステムのオンサイトPPAモデル等による設備導入等を支援することで、設備の価格低減を促進し、ストレージパリティの達成と災害時のレジリエンス向上を目指すものとあります。 端的に言えば、 CO2排出量削減による脱炭素化太陽光単独(または+蓄電池)の導入コストを系統からの電力調達コスト以下にする=グリッドパリティ(ストレージパリティ)災害時でも一定の電力供給が出来る状態にする ということですね。 どれぐらいの電力が使えるのか  蓄電池を入れるならまだしも、自立運転機能でどれぐらいの電力が賄えるのでしょうか?たくさん太陽光パネルを載せていたら、その分だけたくさん電力を賄えると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この自立運転機能は全てのパワーコンディショナに備わっているわけではありません。ここでは代表的なパワーコンディショナをいくつか見ていきたいと思います。 Huawei出力:単相4.95kW自立運転時:2.45kVA / 単相AC100V→オプション(変圧器)を入れることでAC200Vにも対応可能、その場合の出力は4.95kVA。 安川電機出力:三相9.9kW自立運転時:6kVA / 単相AC200V      3kVA / 単相AC100V→三相200V(10kVA)にも対応しているようです。 デルタ電子出力:三相16.5kW自立運転時:3kVA / 単相AC200V      1.5kVA×2 / 単相AC100V→10kWを超える三相パワーコンディショナでは珍しく自立運転機能を備えています。  これらの出力でどんなものが何時間くらい使えるのか?ということは別の機会で紹介したく思いますが、産業用で主力となってくる50kWや100kWのラインナップには自立運転機能は付いていないため、例えば300kWの太陽光発電設備を設置したとしても、使える電力はそのうちの一部ということになります。 ではなぜ付けないのでしょうか?以前、とある日本メーカーに聞いたことがあります。結論から言うとコストが合わないのだそうです。 主に50kW、100kW規模の中型パワーコンディショナのラインナップを揃えているのは海外メーカーですが、昨今事業撤退をしている日本メーカーが増えているように、この中型ラインではコスト競争に勝てないのです。  ちなみに自立運転機能はPWM制御という方式で、通常(連系時)のMPPT制御とは異なります。熾烈なコスト競争の上に、制御方式の異なる機能を追加することで更にコストが上がるということですね。-再生可能エネルギーの総合情報サイト-
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