オーディオマニアもこだわるトランスについて調べてみた(基礎編)
温暖化は企業の経済活動にも影響
トランスの高効率化が温暖化防止につながる?
どうしてでしょう。
トランスのエネルギー消費効率がよくなると、使用する電力が少なくなり、
化石燃料による発電量が減り、CO2の排出削減につながって、地球温暖化防止になる、
こういう図式になります。
その後2014年に向けた目標基準が設けられて、
「トップランナー変圧器2014」というロゴマークが決まりました。
これをつけることが許されたトランスは、
1981年規格値との比較で40%もの省エネ効果が期待されているのです(※2)。
ところで、トランスの更新についての意識調査では、
約50%の人が30年程度と回答しているそうです(※3)。
これには、トランスはタフな機器という意識がはたらいているようですが、
トランスも経年劣化がおこっています。
とくに巻線の絶縁に使われている絶縁紙は、
巻線が発する熱や電磁力の影響で熱分解してしまったり、
破損してしまったりすることがあります(※4)。
トランスが破損すれば、キュービクルもダウン、
工場やビルの停電、ときには地域一帯の停電を引き起こしてしまいます。
最悪の場合、地域の別の工場に損害を与えることも想定されるでしょう。
温暖化が進んで、外気の温度が上がれば、当然、キュービクルの内部の温度も上昇します。
その熱が、トランスの経年劣化を早めることにもなりかねません(※5)。
温暖化防止策を積極的に取りいれることは、
企業の持続的な経済活動にとって欠かせないのです。
各国の主要企業が温暖化防止に積極的になっているのは、
温暖化が事業にとって阻害要因になることが想定されるからです。
キュービクルの更新は、省エネと省スペースにつながるだけでなく、
企業の持続的な経済活動を担保する重要なファクターになりえます。
参考文献
※1 藤田吾郎編著『マンガでわかる 発電・送配電』オーム社、2013年
※2 一般社団法人日本電機工業会「トップランナー変圧器第二次判断基準2014年スタート!!」https://www.jema-net.or.jp/Japanese/pis/top_runner/henatuki.html
※3 広益社団法人日本電機技術者協会 電機技術解説講座 天野尚「受変電設備の省エネルギー」http://www.jeea.or.jp/course/contents/05401/
※4 広益社団法人日本電機技術者協会 電機技術解説講座 水上明「油圧変圧器の経年劣化」http://www.jeea.or.jp/course/contents/07203/
※5 木塚正明原作/戸田邦和画『コミック版実務シリーズ 電機安全 電動機・変圧器編』オーム社、2004年
(記:中居 恵子)
https://eneleaks.com/?p=22492https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1501479197/studio-2224493_640_ancc9j/studio-2224493_640_ancc9j.jpg?_i=AAhttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1501479197/studio-2224493_640_ancc9j/studio-2224493_640_ancc9j.jpg?_i=AA技術simplelay温暖化は企業の経済活動にも影響 トランスの高効率化が温暖化防止につながる? どうしてでしょう。 トランスのエネルギー消費効率がよくなると、使用する電力が少なくなり、 化石燃料による発電量が減り、CO2の排出削減につながって、地球温暖化防止になる、 こういう図式になります。 その後2014年に向けた目標基準が設けられて、 「トップランナー変圧器2014」というロゴマークが決まりました。 これをつけることが許されたトランスは、 1981年規格値との比較で40%もの省エネ効果が期待されているのです(※2)。 ところで、トランスの更新についての意識調査では、 約50%の人が30年程度と回答しているそうです(※3)。 これには、トランスはタフな機器という意識がはたらいているようですが、 トランスも経年劣化がおこっています。 とくに巻線の絶縁に使われている絶縁紙は、 巻線が発する熱や電磁力の影響で熱分解してしまったり、 破損してしまったりすることがあります(※4)。 トランスが破損すれば、キュービクルもダウン、 工場やビルの停電、ときには地域一帯の停電を引き起こしてしまいます。 最悪の場合、地域の別の工場に損害を与えることも想定されるでしょう。 温暖化が進んで、外気の温度が上がれば、当然、キュービクルの内部の温度も上昇します。 その熱が、トランスの経年劣化を早めることにもなりかねません(※5)。 温暖化防止策を積極的に取りいれることは、 企業の持続的な経済活動にとって欠かせないのです。 各国の主要企業が温暖化防止に積極的になっているのは、 温暖化が事業にとって阻害要因になることが想定されるからです。 キュービクルの更新は、省エネと省スペースにつながるだけでなく、 企業の持続的な経済活動を担保する重要なファクターになりえます。 参考文献 ※1 藤田吾郎編著『マンガでわかる 発電・送配電』オーム社、2013年 ※2 一般社団法人日本電機工業会「トップランナー変圧器第二次判断基準2014年スタート!!」https://www.jema-net.or.jp/Japanese/pis/top_runner/henatuki.html ※3 広益社団法人日本電機技術者協会 電機技術解説講座 天野尚「受変電設備の省エネルギー」http://www.jeea.or.jp/course/contents/05401/ ※4 広益社団法人日本電機技術者協会 電機技術解説講座 水上明「油圧変圧器の経年劣化」http://www.jeea.or.jp/course/contents/07203/ ※5 木塚正明原作/戸田邦和画『コミック版実務シリーズ 電機安全 電動機・変圧器編』オーム社、2004年 (記:中居 恵子)altenergy suzuki@seven.ne.jpAdministratorEneLeaks(エネリークス)