また、容量市場や非化石価値取引市場においても、新電力が負担した費用が、本来の目的に使われず、大手電力会社の値下げの原資に使われてしまうのではないかという事も懸念されています。

政府の規制改革推進会議でも『内外無差別性の確保』に言及しており、大手電力会社から新電力各社への電力卸供給の際、競合である大手電力会社の小売部門が窓口になっているという事が問題とされています。

クロス・ビディング (大規模発電所を所有する大手電力会社が、社内取引分の電気も取引所を介して売買するという取組み。取引の透明性を向上させる為に大手電力会社が自主的に行っている) においては、本来、社内の発電部門と小売部門に分かれて売買入札を行うべきですが、実際は、売りと買いを同じ担当者が行うなど、情報が遮断できていない事が指摘されています。

実際、大手電力会社と新電力が、消費者へ対し価格競争になった場合、大手電力会社は新電力が音を上げるほどの安い価格を最後に提示してくるといった話はよく聞きます。
仮に両社の仕入価格が同じだとしたら、一方に有利な何らかの抜け道があるのではと勘繰ってしまいます。

このような問題が、電力市場への新規参入企業がなかなか増えない要因にもなっているのではないでしょうか。
新規参入企業がどんどん増え、大手電力会社を含めての競争が活性化する事で、消費者が価格を含めた より良いサービスを選択する事が可能になります。この建設的循環の実現に向け早急な検討が求められます。



記:高橋 努

https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1577252913/KEYWORD2-1-1_xyx1pa/KEYWORD2-1-1_xyx1pa.jpg?_i=AAhttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1577252913/KEYWORD2-1-1_xyx1pa/KEYWORD2-1-1_xyx1pa.jpg?_i=AAaltenergy個人噛み砕きシリーズ法人連載また、容量市場や非化石価値取引市場においても、新電力が負担した費用が、本来の目的に使われず、大手電力会社の値下げの原資に使われてしまうのではないかという事も懸念されています。 政府の規制改革推進会議でも『内外無差別性の確保』に言及しており、大手電力会社から新電力各社への電力卸供給の際、競合である大手電力会社の小売部門が窓口になっているという事が問題とされています。 クロス・ビディング (大規模発電所を所有する大手電力会社が、社内取引分の電気も取引所を介して売買するという取組み。取引の透明性を向上させる為に大手電力会社が自主的に行っている) においては、本来、社内の発電部門と小売部門に分かれて売買入札を行うべきですが、実際は、売りと買いを同じ担当者が行うなど、情報が遮断できていない事が指摘されています。 実際、大手電力会社と新電力が、消費者へ対し価格競争になった場合、大手電力会社は新電力が音を上げるほどの安い価格を最後に提示してくるといった話はよく聞きます。仮に両社の仕入価格が同じだとしたら、一方に有利な何らかの抜け道があるのではと勘繰ってしまいます。 このような問題が、電力市場への新規参入企業がなかなか増えない要因にもなっているのではないでしょうか。 新規参入企業がどんどん増え、大手電力会社を含めての競争が活性化する事で、消費者が価格を含めた より良いサービスを選択する事が可能になります。この建設的循環の実現に向け早急な検討が求められます。 記:高橋 努-再生可能エネルギーの総合情報サイト-