まさに初夏と言える5月のとある日の出来事、

午前中に何件かの打合せを行った最後の打合せが終わったのが12時15分、

13時30分に新規のプロジェクトの契約関連の打合せがあり、

虎ノ門にある弁護士事務所に訪問をする予定があった。

立川の事務所からその法律事務所まで、googleで検索すると、1時間10分という時間を示す。

「まあ間に合うな。」

今日も昼ご飯を食べる時間をあえて取らないスケジューリングは自ら行ったものであるが、

そういうのは嫌いではない。なんか充実している様な気がするからだ。

目的地に何分前に行こうと思うことが出来ない自分は、ほとんどオンタイムで動いている。

10分前到着の間が少し苦手なのだ。

資料をまとめて鞄に詰め込んで、机を立とうと思った瞬間である。

わが社の役員であるK氏が自分の席の近くに寄ってきた。

「あれ、何時だっけ事務所に行くの?」

自分のスケジュールはオープンになっているので、

自分がどの様な行動をするのかということは皆分かるようにしているものの、

実際にきっちりスケジュールを把握されていることに少し驚いたが、

「13時30分なんだよ。ちょっとギリギリだよね。」

そう答え、きっと

「急げよ!」とか「間に合うのか?」

とかいう返答に背中で聞き

「わかってるよ」と言いながら出発しようと思ったその瞬間

掛けられた声は、

「おまえ、インフラに対しての信頼感が半端ないな。」

だった。

私はこういうノイジーな発言を見逃さない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


そうか、googleももはやインフラかもしれないし、中央線、丸の内線、銀座線のどの線も、

12時ぐらいからの1時間あまりほとんど狂うことなく運航するであろうという確固たる信頼が

自分には染みついていて、かつ、それは我々が望んだ社会かもしれないが、

同時にそれに縛られていること、そしてそういう確実な時間を刻ませてもらえるのは、

その仕事をしてくれている人そしてその仕組みを考え発展させた人がいるのだから感謝の心を忘れるなよ。

と言われたような気がした。

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