【電気代基本料金】大手電力会社の逆襲に苦しむPPS
例えばある大手PPS(新電力)は、4つの工場を持つ企業との大口契約にこぎつけました。ところが、某大手電力会社は4箇所まとめて値引きをすることで、契約を取り戻します。
さらにある大手電力会社は2つの工場を持つ企業と、年間500万円を割り引く条件で長期契約を結びました。ただし値引きをおこなう代わりに、工場が自社で発電設備を設置したり、契約期間内に途中解約したりすると違約金が発生するとのことです。
大手電力会社が大幅値引きできるのは、多くのベースロード電源を所有していること、小口需要家や値引き交渉等をしてこない大口需要家からはきっちり電気料金を徴収しているからであると予想されます。
この考察の背景には「負荷率」という考え方が存在します。
契約電力のうち、使用している負荷(電力量)が何%か、という考え方です。
例えば、企業Aにおける契約電力が1,000kWである一日の使用電力量が9,000kWhだとした場合、
9,000kWh÷(1,000kW×24h)=37.5%となります。
また、別の企業Bにおいて契約電力が1,000kWで、ある一日の使用電力量が4,200kWhだった場合、
4,200kWh÷(1,000kW×24h)=17.5%となります。
要はPPS(新電力)としては、この負荷率が低い企業を狙った方が調達する電力量も少なくすることができる(リスク回避)ため、基本料金できっちり利益を取りやすくなるわけです。
なので負荷率が低い企業を狙い撃ちにしているのが現状です。
逆の見方をすると、PPS(新電力)は基本料金を下げることが難しく、大手電力会社が利益の源泉である基本料金を大幅に下げてきた場合、立ち行かなくなってしまうわけです。
そして見逃せないのが、再生可能エネルギーが推進されているこの時代において、自社で発電設備を設けると違約金が発生するケースがある点です。
「値引きをする代わりに自社の電力のみを使ってほしい」という考えはわからなくはありませんが、その一方で時代に逆行しているようにも感じますね。
大手電力会社が“地の利”を活かして値引き攻勢をしかけているので、PPS(新電力)のなかには事業が立ちゆかず、撤退するところも出てきています。
ガス会社や通信会社など、メインの事業と電力を「セット販売」することでメリットを訴求できればいいのですが、そうしたことが打ち出しにくいPPS(新電力)は苦しい状況です。
http://toyokeizai.net/articles/-/110358
「電力販売ビジネスで業容を急拡大してきた企業が近く、破産申し立てする見通しだ。問題の企業は日本ロジテック協同組合(東洋経済オンラインより引用)」
こうした動きがあるなか、私たち消費者は賢い選択をする必要があります。たとえば、太陽光などの発電設備を持つのも一つ。託送料金不要のため、お得に電気を使うことが可能です。また、企業の場合は太陽光などの再生可能エネルギーを活用することで、CO2削減に貢献することができ、社会的責任を果たすことにもつながります。
(記:後藤 武樹)
https://eneleaks.com/?p=25172https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1511828449/1_uqbprh/1_uqbprh.jpg?_i=AAhttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1511828449/1_uqbprh/1_uqbprh.jpg?_i=AA発電costdown 例えばある大手PPS(新電力)は、4つの工場を持つ企業との大口契約にこぎつけました。ところが、某大手電力会社は4箇所まとめて値引きをすることで、契約を取り戻します。 さらにある大手電力会社は2つの工場を持つ企業と、年間500万円を割り引く条件で長期契約を結びました。ただし値引きをおこなう代わりに、工場が自社で発電設備を設置したり、契約期間内に途中解約したりすると違約金が発生するとのことです。 大手電力会社が大幅値引きできるのは、多くのベースロード電源を所有していること、小口需要家や値引き交渉等をしてこない大口需要家からはきっちり電気料金を徴収しているからであると予想されます。 この考察の背景には「負荷率」という考え方が存在します。 契約電力のうち、使用している負荷(電力量)が何%か、という考え方です。 例えば、企業Aにおける契約電力が1,000kWである一日の使用電力量が9,000kWhだとした場合、 9,000kWh÷(1,000kW×24h)=37.5%となります。 また、別の企業Bにおいて契約電力が1,000kWで、ある一日の使用電力量が4,200kWhだった場合、 4,200kWh÷(1,000kW×24h)=17.5%となります。 要はPPS(新電力)としては、この負荷率が低い企業を狙った方が調達する電力量も少なくすることができる(リスク回避)ため、基本料金できっちり利益を取りやすくなるわけです。 なので負荷率が低い企業を狙い撃ちにしているのが現状です。 逆の見方をすると、PPS(新電力)は基本料金を下げることが難しく、大手電力会社が利益の源泉である基本料金を大幅に下げてきた場合、立ち行かなくなってしまうわけです。 そして見逃せないのが、再生可能エネルギーが推進されているこの時代において、自社で発電設備を設けると違約金が発生するケースがある点です。 「値引きをする代わりに自社の電力のみを使ってほしい」という考えはわからなくはありませんが、その一方で時代に逆行しているようにも感じますね。 大手電力会社が“地の利”を活かして値引き攻勢をしかけているので、PPS(新電力)のなかには事業が立ちゆかず、撤退するところも出てきています。 ガス会社や通信会社など、メインの事業と電力を「セット販売」することでメリットを訴求できればいいのですが、そうしたことが打ち出しにくいPPS(新電力)は苦しい状況です。 http://toyokeizai.net/articles/-/110358 「電力販売ビジネスで業容を急拡大してきた企業が近く、破産申し立てする見通しだ。問題の企業は日本ロジテック協同組合(東洋経済オンラインより引用)」 こうした動きがあるなか、私たち消費者は賢い選択をする必要があります。たとえば、太陽光などの発電設備を持つのも一つ。託送料金不要のため、お得に電気を使うことが可能です。また、企業の場合は太陽光などの再生可能エネルギーを活用することで、CO2削減に貢献することができ、社会的責任を果たすことにもつながります。 (記:後藤 武樹) altenergy suzuki@seven.ne.jpAdministratorEneLeaks(エネリークス)