太陽光発電って実際どれくらい持つの?
太陽光発電の寿命について今回は考えてみました。

寿命について考えるうえで、各メーカーがつけている「出力保証」が
ひとつの参考基準になるかもしれません。

メーカーの出力保証ですが、メーカーによって微妙に違うものの
概ね出荷時の出力に対して、
10年目で90%を下回った場合、
また25年目で80%を下回った場合、
無償で交換品を供給してくれるというものです(25年の出力保証の場合)。

以前、「太陽光発電購入予定者の50%が不安に思っている○○○、実際のところどうなの?」という記事で
ご紹介した調査データに再び登場してもらいます。

では実際、本当に使っていくうえでどれぐらいの劣化をするのか?というのは気になるところだと思います。
太陽光発電自体、大きく広まったのは2009年に余剰電力買取制度で1kWhあたりの買取単価が48円になってからですので、
まだ10年にも満たない状態です。
正直世の中に20年以上稼働している太陽光発電はあまり存在していないのが実情です。

シャープが1966年に長崎県尾上島に当時世界最大225Wの灯台用太陽電池を設置したのが最初と言われていますが、
今年でちょうど50年経過しているというわけです。
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とは言え、この50年の間にどれぐらい出力が低下したのか?というデータは公開されておりませんので、あまり参考にはなりません。

 

そこで、東京電力管内で最初に系統連系(電力会社のグリッドに接続すること)を開始した、
弊社会長の自宅のデータを分析し、実際の発電量がどれぐらい低下したのか?を公開しようと思います。
さて、会長が自宅に太陽光パネルを設置したのは1993年10月のことですので、
2016年11月現在約23年間の実績があります。当時はソーラーレックス社の64Wのパネルを24枚ですので、
わずか1.536kWのシステムからスタートしました。
翌年7月には倍の3.072kWに増設します。
そして4年後の1999年にはその倍の6.144kWに、
最終的に2004年9月から現在に至るまでは144枚(9.216kW)まで増設しました。

途中、お金がたまっては増設、ということを繰り返し、
最終的には隣接しているアパートの屋根や壁面、カーポートの上にまで、
文字通り置ける場所には全て置き尽くした、という外観となっています。
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写真で見るよりも実物の方が、まるで要塞のような凄みがあります。
まるで巨大なタケコプターが何個もついているようで「飛ばないの!?」と不安になるかもしれません。
が、ご心配には及びません。

 

この23年間、飛んだことはありません!

 

むしろ、こんな風に設置をしてしまう会長が、ある意味飛んでいます。
さて、話を元に戻しますと、1.536kWから9.216kWまで増設しておりますので、便宜上9.216kWにあわせて発電量データを算出しました。

その結果がコチラです。
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1993年のデータが3ヶ月分でしたので1994年1月から2016年12月(トレンドによる想定値含む)で比較してみたところ、
年によって日射量のバラつきはあるものの、概ね20年間で15%程度低下していることが分かりました。

メーカー出力保証について思い出してみて下さい。10年目で90%以上、25年目で80%以上の出力を保証でしたよね?
今から20年以上も前に製造された太陽光パネルでさえ、今の基準を満たしていると見て取れます。
当然今のほうが性能は良いと考えられますし、30年の出力保証を打ち出しているメーカーも存在します。

 

ということは、低減はするものの、メーカーが保証している年数は最低でもきちんと機能してくれる、ということがお分かりいただけたと思います。

 

 

(記:田中圭亮)

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