Teslaは、”この問題は少数のお客様に影響を与えましたが、既に修正されています”と言っている。
”私が聞いたのは、煩さすぎてガレージや屋外に追いやりたくなるということですね。共用スペースにとっても間違いなくそうですよ、と聞きました。
しかし私はそれを検証することがまだ出来ていませんがね・・”とBloomberg New Energy Finance社のエネルギー・蓄電分野のアナリストのトップ、
Logan Goldie-Scott氏は言う。

オーストラリアにおけるPowerwallの最初のカスタマーであるNick Pfitzner氏はGTMの取材に対して、
(Teslaの)蓄電システムは屋外に設置している限りにおいては実際そんなには煩くないと言う。
また彼は、”隣人は水景設備(噴水やプールなど)を持っているので、聞こえないはずですがね”という。
Natural Solar社の役員であるChris Williams氏は、この会社が上記Nick Pritzner邸に蓄電システムを納入したのですが、
そのPowerwallは、ほとんど騒音は聞こえない、と言う。
”蓄電池の温度を冷却する必要が生じた場合にファンが稼働します。その時でも、50デシベル以下の音しか出ません”とWilliams氏は言う。
”それにも関わらず、お客様は共通してPowerwallをガレージか屋外に設置するよう希望しますがね”
ドイツでは、過熱は主要な問題ではないのかもしれません。しかしながら、オーストラリアではPowerwallを屋外に設置することは
(過熱)問題の原因となるかもしれません。そこでは、気温が高いことが懸念されています、とPfitzner氏は言う。
この点については、Teslaの水冷冷却システムは競合他社との競争で優位であることを証明するかもしれない。
Teslaは「Powerwallは屋内だけでなく屋外も兼用で設計された製品である」と言う。
昨年の終わりに出荷が始まって以来、騒音と設置場所の問題だけがこの商品に関して報告されているわけでもない。

競合は、また、設置にかかる時間が長いと指摘している。
”既にPowerwallを設置したことのある設置者は、”5時間という(指定された)設置時間は無理だと感じました。なぜなら、それは非常に複雑な工事だからです”
と、TeslaのライバルであるSonnen社のスポークスマン、Mthias Bloch氏は話す。
”設置時間は重要なポイントです。なぜなら、それは設置コストを上げますし、システム全体をますます高価にすることになるからです”とBloch氏は言う。
”設置時間の延長はコストに影響する。Teslaの最大のセールスポイントはその価格だ。しかし、Powerwallの設置には
メーカーが広告している価格$3,000を大きく超える追加費用がかかってくる、ということを指摘する者は多い。”
ドイツでは、例えば、Sonnen社は、Powerwallの実質コストは蓄電システム本体、StoeEdge社のインバーターインターフェイス、
ゲートウェイ、販売店のマージンや設置コスト、それと税金を加えると8,500?9,000ユーロ(US$9,600?10,150)程度と見積もる。
Teslaは、そうしたコストは5,000?6,000ユーロと反論している。

一方、オーストリアでは、PowerwallとSolarのパッケージの掲載されている価格は17,900ユーロ(US$20,220)となっている。
Teslaは、そうしたSonnen社の数字は誤解を与えるものであり、そうしたTeslaの見積もりはソーラーパネルの金額は含まれていないこと、
またそのソーラーパネルには同じインバーターが使用されるという想定が抜けている、としている。
また、オーストラリアにおいては、SolarQuotes社によるPowerwallの見積もりについての詳細な分析があるが、エンドユーザーの
価格は、AUD$8,000(US$6,175)となっており、当初の見積もりのおおよそ二倍のコストになっていることが示されている。

さらに、今のPowerwallの保証内容を見てみると、もともとの保証内容(7kWhのデイリーサイクル(毎日使える)蓄電池システムとして宣伝していた容量)よりも、
かなり低い容量しか保証していないことが見て取れる。

 

具体的な話をすると、もともとの保証内容としては、最初の2年間においては「740サイクル」または「6.4kWhの85%(つまり5.4kWh)の容量」のどいずれか
(どちらが先にその状態に達したとしても)をカバーしてくれていた。
次の3年間も同様の考え方で「4.6kWh」または「1,087サイクル」、っそして最後の5年間で3.8kWhか2,368サイクルを保証してくれていた。

これらの数字をもとに、SolarQuotes社はPowerwallが提供するkWhあたりのコストが平均AUD$0.50(US$0.39)になるだろうとと見積もった。
それは、他社、Aquion社やRedflow社やSunverge社が提供する家庭向け蓄電池よりも高価ということとなる。

この計算においては、インバーターのコストは含んでおらず、これを入れると総額はAUD$12,000(US$9,265)となり、
kWhあたりコストはAUD$0.75(US$0.58)に上昇する。

GTM Researchの上級蓄電アナリストのRavi Manghani氏は、こうした数字はショックでもなんでもないと言う。
”蓄電池容量の減衰や劣化はエネルギー蓄電に関わる業界内では挑戦”challenge”として知られていました。たいていの分析モデルはこれを説明しています。
もちろん、Teslaが最も重要である保証期間を主要商品のスペックから除外したという事実は珍しいことではありません。
もし他の販売会社からの保証期間がTeslaのものと全く違うものであったら、それこそ驚くべきことです”とManghani氏は言う。

Teslaは昨年4月のPowerwallの発売に際しては、当然のように周囲の誇大広告ではないか?という大規模なチェックを受ける対象となった。
また、Powewallを批評する人達でさえ、エネルギー蓄電産業はTeslaへ感謝しなければならないことは認めている。
この12ヶ月間での住宅向け蓄電システムの販売者間において、その商品の進化や価格の低下のほとんどはTeslaが市場に参入したことが直接の原因だった。
また、Teslaの存在は多くの消費者が蓄電システムの導入を検討する理由となっている。

そのことひとつをとってみても、Powerwallが成功することは重要だと、Bloch氏は言う。
”Powerwallに対する関心はとても高い” ”もし消費者がPowerwallを購入して技術的な問題があったとしたら、
彼らは、エネルギー蓄電は成熟した産業ではないんだな、という印象を持つでしょう。”

TeslaのGeorgeson氏は、”欧州では、すでに何千もの蓄電池ユニットが設置されたか設置されつつあります”と語った。

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冒頭でお伝えした通り、少し前の記事なので、商品自体や、価格・保証の内容について改善や改定等があったかもしれません。
その点はご注意いただけたらと思います。
人々の関心を引いたという点で、Teslaの功績は認めつつ、その販売方法については一言言いたい、というようなところでしょうか。
評判が一人歩きしており、商品性についてはTeslaが特に優れている訳ではないよ、という声も聞こえてきます。
記事中にもありますが、蓄電池は将来的に有望な技術と思いますので、Teslaだけではないですが、先行して設置した、
または検討している方々が設置してハッピーになるような形で販売・設置が進み、
結果として産業が大きく発展していくことを業界にいる者の一人として期待します。

 

 

(記:齋藤 康広)

https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1478846326/pixta_7174558_M_lgful2/pixta_7174558_M_lgful2.jpg?_i=AAhttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1478846326/pixta_7174558_M_lgful2/pixta_7174558_M_lgful2.jpg?_i=AAaltenergy蓄電池総研offgridhouseTeslaは、”この問題は少数のお客様に影響を与えましたが、既に修正されています”と言っている。 ”私が聞いたのは、煩さすぎてガレージや屋外に追いやりたくなるということですね。共用スペースにとっても間違いなくそうですよ、と聞きました。 しかし私はそれを検証することがまだ出来ていませんがね・・”とBloomberg New Energy Finance社のエネルギー・蓄電分野のアナリストのトップ、 Logan Goldie-Scott氏は言う。 オーストラリアにおけるPowerwallの最初のカスタマーであるNick Pfitzner氏はGTMの取材に対して、 (Teslaの)蓄電システムは屋外に設置している限りにおいては実際そんなには煩くないと言う。 また彼は、”隣人は水景設備(噴水やプールなど)を持っているので、聞こえないはずですがね”という。 Natural Solar社の役員であるChris Williams氏は、この会社が上記Nick Pritzner邸に蓄電システムを納入したのですが、 そのPowerwallは、ほとんど騒音は聞こえない、と言う。 ”蓄電池の温度を冷却する必要が生じた場合にファンが稼働します。その時でも、50デシベル以下の音しか出ません”とWilliams氏は言う。 ”それにも関わらず、お客様は共通してPowerwallをガレージか屋外に設置するよう希望しますがね” ドイツでは、過熱は主要な問題ではないのかもしれません。しかしながら、オーストラリアではPowerwallを屋外に設置することは (過熱)問題の原因となるかもしれません。そこでは、気温が高いことが懸念されています、とPfitzner氏は言う。 この点については、Teslaの水冷冷却システムは競合他社との競争で優位であることを証明するかもしれない。 Teslaは「Powerwallは屋内だけでなく屋外も兼用で設計された製品である」と言う。 昨年の終わりに出荷が始まって以来、騒音と設置場所の問題だけがこの商品に関して報告されているわけでもない。 競合は、また、設置にかかる時間が長いと指摘している。 ”既にPowerwallを設置したことのある設置者は、”5時間という(指定された)設置時間は無理だと感じました。なぜなら、それは非常に複雑な工事だからです” と、TeslaのライバルであるSonnen社のスポークスマン、Mthias Bloch氏は話す。 ”設置時間は重要なポイントです。なぜなら、それは設置コストを上げますし、システム全体をますます高価にすることになるからです”とBloch氏は言う。 ”設置時間の延長はコストに影響する。Teslaの最大のセールスポイントはその価格だ。しかし、Powerwallの設置には メーカーが広告している価格$3,000を大きく超える追加費用がかかってくる、ということを指摘する者は多い。” ドイツでは、例えば、Sonnen社は、Powerwallの実質コストは蓄電システム本体、StoeEdge社のインバーターインターフェイス、 ゲートウェイ、販売店のマージンや設置コスト、それと税金を加えると8,500?9,000ユーロ(US$9,600?10,150)程度と見積もる。 Teslaは、そうしたコストは5,000?6,000ユーロと反論している。 一方、オーストリアでは、PowerwallとSolarのパッケージの掲載されている価格は17,900ユーロ(US$20,220)となっている。 Teslaは、そうしたSonnen社の数字は誤解を与えるものであり、そうしたTeslaの見積もりはソーラーパネルの金額は含まれていないこと、 またそのソーラーパネルには同じインバーターが使用されるという想定が抜けている、としている。 また、オーストラリアにおいては、SolarQuotes社によるPowerwallの見積もりについての詳細な分析があるが、エンドユーザーの 価格は、AUD$8,000(US$6,175)となっており、当初の見積もりのおおよそ二倍のコストになっていることが示されている。 さらに、今のPowerwallの保証内容を見てみると、もともとの保証内容(7kWhのデイリーサイクル(毎日使える)蓄電池システムとして宣伝していた容量)よりも、 かなり低い容量しか保証していないことが見て取れる。   具体的な話をすると、もともとの保証内容としては、最初の2年間においては「740サイクル」または「6.4kWhの85%(つまり5.4kWh)の容量」のどいずれか (どちらが先にその状態に達したとしても)をカバーしてくれていた。 次の3年間も同様の考え方で「4.6kWh」または「1,087サイクル」、っそして最後の5年間で3.8kWhか2,368サイクルを保証してくれていた。 これらの数字をもとに、SolarQuotes社はPowerwallが提供するkWhあたりのコストが平均AUD$0.50(US$0.39)になるだろうとと見積もった。 それは、他社、Aquion社やRedflow社やSunverge社が提供する家庭向け蓄電池よりも高価ということとなる。 この計算においては、インバーターのコストは含んでおらず、これを入れると総額はAUD$12,000(US$9,265)となり、 kWhあたりコストはAUD$0.75(US$0.58)に上昇する。 GTM Researchの上級蓄電アナリストのRavi Manghani氏は、こうした数字はショックでもなんでもないと言う。 ”蓄電池容量の減衰や劣化はエネルギー蓄電に関わる業界内では挑戦”challenge'として知られていました。たいていの分析モデルはこれを説明しています。 もちろん、Teslaが最も重要である保証期間を主要商品のスペックから除外したという事実は珍しいことではありません。 もし他の販売会社からの保証期間がTeslaのものと全く違うものであったら、それこそ驚くべきことです”とManghani氏は言う。 Teslaは昨年4月のPowerwallの発売に際しては、当然のように周囲の誇大広告ではないか?という大規模なチェックを受ける対象となった。 また、Powewallを批評する人達でさえ、エネルギー蓄電産業はTeslaへ感謝しなければならないことは認めている。 この12ヶ月間での住宅向け蓄電システムの販売者間において、その商品の進化や価格の低下のほとんどはTeslaが市場に参入したことが直接の原因だった。 また、Teslaの存在は多くの消費者が蓄電システムの導入を検討する理由となっている。 そのことひとつをとってみても、Powerwallが成功することは重要だと、Bloch氏は言う。 ”Powerwallに対する関心はとても高い” ”もし消費者がPowerwallを購入して技術的な問題があったとしたら、 彼らは、エネルギー蓄電は成熟した産業ではないんだな、という印象を持つでしょう。” TeslaのGeorgeson氏は、”欧州では、すでに何千もの蓄電池ユニットが設置されたか設置されつつあります”と語った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 冒頭でお伝えした通り、少し前の記事なので、商品自体や、価格・保証の内容について改善や改定等があったかもしれません。 その点はご注意いただけたらと思います。 人々の関心を引いたという点で、Teslaの功績は認めつつ、その販売方法については一言言いたい、というようなところでしょうか。 評判が一人歩きしており、商品性についてはTeslaが特に優れている訳ではないよ、という声も聞こえてきます。 記事中にもありますが、蓄電池は将来的に有望な技術と思いますので、Teslaだけではないですが、先行して設置した、 または検討している方々が設置してハッピーになるような形で販売・設置が進み、 結果として産業が大きく発展していくことを業界にいる者の一人として期待します。     (記:齋藤 康広)-再生可能エネルギーの総合情報サイト-