Share on LinkedIn
Pocket

その日は突然やって来た。
昼休憩を挟んで時刻は夕方になろうとしていた。
ともかくその日までにやらないといけない仕事があって少しあせっていた。

そんな時に、「岡田ちょっといい?」声がかかった。
何の話だろう?私はすぐには思いつかなかったが
呼ばれて社長の髙橋のブースに行くと、そこで副社長の黒田と二人で雑談をしていた。
少し警戒しながらブースに足を踏み入れた。
何かあると直感的に感じた。
高橋:「岡田、お前んちの電気代って月どれくらい?」
なんのことだと思いながら、
私:「だいたい3,000円から4,000円くらいですかね」
とりあえず正直に答える。
黒田:「そうか、3,000円だと100kwhくらいだな。」
ここまでは至極まっとうな会話のようにも思うが
何か裏にあるのではこっちはかなりそわそわしていた。

 

少しの沈黙の後。

 

高橋:「それじゃ、オフグリットいけそうだな。」

ん???オフグリッド?!
もう10年近い付き合いがあるのだがらもう少し警戒すべきだった。
あいからわずの自分の脇の甘さをのろった。

でもそもそもオフグリットで何だっけ。
頭の中で思考をめぐらす。
聞いたことはある、なんとなく知っているけど
それがどんなことを自分にもたらすのか

オフグリッドって、とようやく僕の思考はつながった。
送電から完全に独立して自給自足をすることだ。
自宅には太陽光はついているから、発電はできる。
問題は発電できない夜や雨の日の電力をどうするかなのだが
電気を貯める仕組み(蓄電池)を使うしかない。
ただ蓄電池はまだ一般的でないし、まだ容量も少ない。
もしオフグリッドにして雨が続いて電池容量が足りなくなったらどうするのか
下手したら停電だ。

ようやく自体を理解した私は、
「出、出来るのか!オフグリッド!」と心の中でつぶやいた。
しかも自分だけではなく間違いなく家族を巻き込むことになる。
ようやく自体を飲み込めた私は、そのとき妻と子供の顔を思い浮かべた。

どうしょう、できればこの場はうやむやにしておこうという頭がよぎった。
「いやー楽しそうですね」
とりあえずごまかす。
「でもやっぱり家庭の電気をストックできるだけの蓄電池ってそうないですよね」
同じブースにいた副社長の黒田に同意を求める。

ここで最大のミスを犯した。
黒田は大学時代にオフグリッドの研究をしていたいのだ。
(記憶違いかもしれないが、なんかそんなことをテーマにしていたことを聞いたことがある)
研究がどうであれ社内で一番オフグリッドが関心がある人にする質問ではなかった。
後の祭りだ。
黒田:「や、なんとかなるんじゃない、」
黒田:「足りなくなったら自転車漕いで自家発電する仕組みつけとくよ」
こういうときに悪乗りするタイプであることも知っていた。
すべてが裏目だ。改めて痛感した。
同意を求めた自分がバカだった。

29e4249217ed0aca74e7e081b73ab9b4_s
そう、ここは完全にアウエーだ。

 

やばいと思った私は、とっさに出来ない理由を考えた。
と、その瞬間、社長の髙橋と目があった。
そう私は知っていた、この表情をする時の髙橋は、
完璧な反対処理を用意している。
たぶんすべては決まった結末に向かって進んでいることを理解しつつも
抵抗を試みる。
私:「妻が売電を楽しみにしているんですよね、なくなっちゃうとつらいな」

髙橋:「大丈夫だ、ブログをかけよ、導入までの過程をさ
それで1PVで10円出すよ、面白く書けよ、そうすればPVもあがるし
お金も入ってくるよ、ともかく面白く書けよ」
そう「面白さ」ことさら強調して、笑いながら高橋が言った。

やーこの笑い、

そう、もう答えはひとつしかないのだ
勝負はもうとっくについている。

髙橋:「大丈夫だろ?」

私:「そうですね」

髙橋:「やるだろう?」

私:「やります」

これが私の家にオフグリッド導入が決まった記念すべき一日のすべてです。。。

(続く・・・)

 

記:岡田健吾

 

http://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/image/upload/v1478849382/aefc1b3ddd8edb7c1c8fb8038f2f671a_l_iiuoxd_sfuu7e.jpghttp://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/image/upload/c_crop,h_300,w_300,x_50,y_0/h_150,w_150/v1478849382/aefc1b3ddd8edb7c1c8fb8038f2f671a_l_iiuoxd_sfuu7e.jpgaltenergy節電offgridhouseその日は突然やって来た。 昼休憩を挟んで時刻は夕方になろうとしていた。 ともかくその日までにやらないといけない仕事があって少しあせっていた。 そんな時に、「岡田ちょっといい?」声がかかった。 何の話だろう?私はすぐには思いつかなかったが 呼ばれて社長の髙橋のブースに行くと、そこで副社長の黒田と二人で雑談をしていた。 少し警戒しながらブースに足を踏み入れた。 何かあると直感的に感じた。 高橋:「岡田、お前んちの電気代って月どれくらい?」 なんのことだと思いながら、 私:「だいたい3,000円から4,000円くらいですかね」 とりあえず正直に答える。 黒田:「そうか、3,000円だと100kwhくらいだな。」 ここまでは至極まっとうな会話のようにも思うが 何か裏にあるのではこっちはかなりそわそわしていた。   少しの沈黙の後。   高橋:「それじゃ、オフグリットいけそうだな。」 ん???オフグリッド?! もう10年近い付き合いがあるのだがらもう少し警戒すべきだった。 あいからわずの自分の脇の甘さをのろった。 でもそもそもオフグリットで何だっけ。 頭の中で思考をめぐらす。 聞いたことはある、なんとなく知っているけど それがどんなことを自分にもたらすのか オフグリッドって、とようやく僕の思考はつながった。 送電から完全に独立して自給自足をすることだ。 自宅には太陽光はついているから、発電はできる。 問題は発電できない夜や雨の日の電力をどうするかなのだが 電気を貯める仕組み(蓄電池)を使うしかない。 ただ蓄電池はまだ一般的でないし、まだ容量も少ない。 もしオフグリッドにして雨が続いて電池容量が足りなくなったらどうするのか 下手したら停電だ。 ようやく自体を理解した私は、 「出、出来るのか!オフグリッド!」と心の中でつぶやいた。 しかも自分だけではなく間違いなく家族を巻き込むことになる。 ようやく自体を飲み込めた私は、そのとき妻と子供の顔を思い浮かべた。 どうしょう、できればこの場はうやむやにしておこうという頭がよぎった。 「いやー楽しそうですね」 とりあえずごまかす。 「でもやっぱり家庭の電気をストックできるだけの蓄電池ってそうないですよね」 同じブースにいた副社長の黒田に同意を求める。 ここで最大のミスを犯した。 黒田は大学時代にオフグリッドの研究をしていたいのだ。 (記憶違いかもしれないが、なんかそんなことをテーマにしていたことを聞いたことがある) 研究がどうであれ社内で一番オフグリッドが関心がある人にする質問ではなかった。 後の祭りだ。 黒田:「や、なんとかなるんじゃない、」 黒田:「足りなくなったら自転車漕いで自家発電する仕組みつけとくよ」 こういうときに悪乗りするタイプであることも知っていた。 すべてが裏目だ。改めて痛感した。 同意を求めた自分がバカだった。 そう、ここは完全にアウエーだ。   やばいと思った私は、とっさに出来ない理由を考えた。 と、その瞬間、社長の髙橋と目があった。 そう私は知っていた、この表情をする時の髙橋は、 完璧な反対処理を用意している。 たぶんすべては決まった結末に向かって進んでいることを理解しつつも 抵抗を試みる。 私:「妻が売電を楽しみにしているんですよね、なくなっちゃうとつらいな」 髙橋:「大丈夫だ、ブログをかけよ、導入までの過程をさ それで1PVで10円出すよ、面白く書けよ、そうすればPVもあがるし お金も入ってくるよ、ともかく面白く書けよ」 そう「面白さ」ことさら強調して、笑いながら高橋が言った。 やーこの笑い、 そう、もう答えはひとつしかないのだ 勝負はもうとっくについている。 髙橋:「大丈夫だろ?」 私:「そうですね」 髙橋:「やるだろう?」 私:「やります」 これが私の家にオフグリッド導入が決まった記念すべき一日のすべてです。。。 (続く・・・)   記:岡田健吾  -再生可能エネルギーの総合情報サイト-