ALC工法の陸屋根に太陽光発電を設置する場合の問題点を検証する(第一部)から引き続き
「ALCの陸屋根に太陽光を設置する問題点」を検証します。

 

≪ALCに穴をあける事はできない?≫

ALCの強みとして、軽量、防火性、断熱性、防音性等に優れていますがその反面、弱みとしては水に弱いという特徴があります。
雨水等が防水層を突破して浸水すると、ALCボードがふやけて脆性化し、屋根や外壁を破壊に至らしめます。

それ程までにデリケートな素材である為、防水処理に関してはハウスメーカーの中で、
最も細心の注意を払っているタイプの家であると言えます。

屋根に太陽光発電を設置する際においても、右の写真のように、
屋根に穴をあけて支持を取る工法を採用する場合、
その部分の防水処理は完璧に行われます。

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【ALC住宅の屋根に太陽光発電架台を設置】

それでは、ALCには穴をあけてはいけないのか?
それでも工夫すれば可能なのではないのか?

などと言った問い合わせは、太陽光発電業界においても多く寄せられる意見です。

 

確かに屋根に穴を空けてしまうと、雨が降ると定常的に雨水に
よる衝撃をまともに受け、降水量が多い場合は屋根に水が溜まる
という事態が予測できます。

しかし、壁に固定する程度であれば、屋根に穴をあけるやり方よりも、
適切な防水処置を施す事で、雨によるリスクは格段に下がります。

例えば、電線の引込み線を外壁に穴を空けて支持を取るという実態は数多く存在します。

右写真のように、完璧な防水を施す訳でもなく、コーチボルトと呼ばれる、
外壁打込みようのボルトを貫通させて、電線を受けるための金具を取付けています。

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【ALC外壁に引込み線を打込み固定】

このように現実的な方法により、屋根に穴をあけるのではなく、壁に穴をあけはするが、適切な防水を施すことにより、
ALCによる住宅においても太陽光発電を設置する事は可能であると考えられます。

 

 

  ≪ALCに穴をあけた場合、耐久性はどれ程か?≫

株式会社オルテナジーでは、ALCボードにアンカーを打込んだ場合の強度検討を実施。
実物のALCボードの試験体を用意し、φ10mmのアンカーボルトを埋め込み深さ90mmの設定で引張試験を行いました。
実際に太陽光発電がセットされた場合に、風圧力が受ける力の方向を想定し、その方向に沿った向きに引張試験機で負荷を掛けた場合において、
破断する荷重を数字で確認。

その結果、アンカーの引抜き強度として、3000N以上の耐久性を確認しました。
これは約300kgfの力を掛けてクラックが生じるという数字です。
太陽電池アレイにおいては、4kWの太陽光で10箇所程の固定点を取る為、全体的に3tの力に耐えられる事を意味します。

例えば、東京都内の基準風速は34m/sの風速をベースに検討すると、太陽電池アレイに掛かる風圧力は合計で18,000N程であるのに対し、
それに耐久し得る力が30,000Nであるという事で、安全率1.6倍の余裕を持って対応が可能であると判断する事ができます。

へー別6    へーベル6

【ALC引張強度試験】                       【引張試験データ】

注)地域によって風速条件は異なる為、風圧力について個別に検討が必要となりますが、固定点の増設等の方法により、対応は可能です。
以上の結果からALCへの固定は、やり方によっては十分に対応可能であると考えられます。

 

現状はALCという事だけで『太陽光発電は付けられない』と、十分な検討も無しに断定的に設置を断る太陽光発電メーカーも少なくありません。

現在の住宅市場において、へーベルハウスを代表とするALC住宅が拡大している中、非常にもったいない限りです。
今はハウスメーカーの囲い込みによって、足踏みするお客様も多く、なかなか太陽光発電の設置に踏み切れないという状況かもしれませんが、
やがてALC住宅に住まわれる方々による太陽光発電の設置事例が増えれば、その状況は大きく変わってくるのではないでしょうか。

最後に、既にALC住宅に太陽光発電を設置したお客様も存在しており、今でも太陽光発電による売電生活を営まれている事実があることをお伝えして
当レポートを終わりとさせて頂きます。(完)

 

 

 

(記:杉村健吾)

 

 

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