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容量市場の価格決定要因

 電力改革システムによって、電源の価値は

  1. kW価値
  2. ⊿kW価値
  3. kWh価値

の3つに分類されるようになりました。
 1つ目のkW価値というのが今回のテーマである容量市場で取引される価値であり、電源の「固定費」を回収するイメージです。2つ目の⊿kW価値は需給調整市場で取引される価値、3つ目のkWh価値は卸電力市場で実際に取引されている電力が持つ価値で、それぞれ電源の「変動費」を回収するイメージです。では固定費っていくらぐらいか?ということですが、指標価格が発表されています。2019年8月末時点ではガスタービンコンバインドサイクル発電(火力発電)の電源新設を念頭に9,307円/kW、2020年2月には9,444円/kWとされています。

出典:電気新聞(2019年8月29日)より


容量市場がはらむ問題点

 容量市場は、需給同時同量性のもと供給責任を持つ発電事業者のための制度というのが1つの側面ですが、確かに将来に備えた容量確保は必要ではあるものの、RE100などの国際的な見地からすると相反する部分があるように思います。容量市場では、火力・原子力・大型水力などの①安定電源、太陽光・風力などの②変動電源、蓄電池やDRなどの③発動司令電源が入札の対象となりますが、恐らく①安定電源を中心に②③で補完するという比率になっていくと思います。ここでも火力や原子力が前提の制度設計となっているのです。
 また、実際の約定価格は1点で決まるシングルプライスオークションであるため、仮に回収が終わった電源だからと言って0円で入札し、約定価格が9,444円となった場合、確実に落札できるだけでなく9,444円/kWを受け取ることが出来てしまうということになります。実際の電気(kWh)も販売することができるため、老朽化した発電所の延命を助長してしまうという点も制度上問題があるように見えます。最初のオークションまで残すところ2ヶ月余りとなりましたが、どのようになっていくのか注目していきたいと思います。




記:田中 圭亮

https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/image/upload/v1590105924/20200521_2_ddmbin.pnghttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/image/upload/c_crop,h_241,w_241,x_88,y_0/h_150,w_150/v1590105924/20200521_2_ddmbin.pngaltenergy個人噛み砕きシリーズ法人連載容量市場の価格決定要因  電力改革システムによって、電源の価値は kW価値⊿kW価値kWh価値 の3つに分類されるようになりました。 1つ目のkW価値というのが今回のテーマである容量市場で取引される価値であり、電源の「固定費」を回収するイメージです。2つ目の⊿kW価値は需給調整市場で取引される価値、3つ目のkWh価値は卸電力市場で実際に取引されている電力が持つ価値で、それぞれ電源の「変動費」を回収するイメージです。では固定費っていくらぐらいか?ということですが、指標価格が発表されています。2019年8月末時点ではガスタービンコンバインドサイクル発電(火力発電)の電源新設を念頭に9,307円/kW、2020年2月には9,444円/kWとされています。 出典:電気新聞(2019年8月29日)より 容量市場がはらむ問題点  容量市場は、需給同時同量性のもと供給責任を持つ発電事業者のための制度というのが1つの側面ですが、確かに将来に備えた容量確保は必要ではあるものの、RE100などの国際的な見地からすると相反する部分があるように思います。容量市場では、火力・原子力・大型水力などの①安定電源、太陽光・風力などの②変動電源、蓄電池やDRなどの③発動司令電源が入札の対象となりますが、恐らく①安定電源を中心に②③で補完するという比率になっていくと思います。ここでも火力や原子力が前提の制度設計となっているのです。 また、実際の約定価格は1点で決まるシングルプライスオークションであるため、仮に回収が終わった電源だからと言って0円で入札し、約定価格が9,444円となった場合、確実に落札できるだけでなく9,444円/kWを受け取ることが出来てしまうということになります。実際の電気(kWh)も販売することができるため、老朽化した発電所の延命を助長してしまうという点も制度上問題があるように見えます。最初のオークションまで残すところ2ヶ月余りとなりましたが、どのようになっていくのか注目していきたいと思います。 記:田中 圭亮-再生可能エネルギーの総合情報サイト-
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