電気新聞の昨年8月14日号~9月3日号にかけて、『電力自由化キーワード』という連載が掲載されました。
そこでは電力自由化を取り巻く様々なキーワードについて解説されているのですが、中には非常に難しい内容も含まれておりますため、『噛み砕きシリーズ』と称して各記事の要点を掻い摘んでご紹介することにしました。全11本の連載記事として、毎月2本ずつアップしていく予定です。

第7弾の今回は『電力先物市場』について説明していきます。


電力先物市場

今や世界規模で導入が進んでいる「電力先物市場」
いよいよ、東京商品取引所においても昨年9月17日から試験上場が開始されました。
電力先物市場とは、半年後や1年後の電力売買価格をあらかじめ決めて取引を行うものですが、 今回の(試験)上場により、発電事業者や、小売り電気事業者共に、価格変動が激しいJEPXのスポット市場だけに頼ることなく、収支の安定が図れることになると期待されています。

電力先物取引は金融的取引であり、現物の調達や販売を行うことはできませんが、電気事業者は先々の電力売買価格を固定し、その月のJEPXスポット取引を合わせて行うことによって、実質的に「固定価格による調達・販売」が可能になります。

【例】電力先物取引において、事前に8月の電力を10円/kWhで購入

A:8月の決済日にJEPXスポット平均価格が20円に決定
→スポット市場で20円/kWhで購入することになったものの、電力先物利益として10円/kWhを受け取ることができる為、当初見込んでいた10円/kWhでの購入が実現

B:8月の決済日にJEPXスポット平均価格が5円に決定
→5円/kWhの先物損になるものの、スポット市場で5円/kWhで購入できたので、当初見込んでいた10円/kWhの購入が実現

一方、発電事業者側も「先物商品」を売ることで上記と同じメカニズムにより卸価格を固定する事が可能になります。

https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1585269925/sakimono2_tpfdjp/sakimono2_tpfdjp.jpg?_i=AAhttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1585269925/sakimono2_tpfdjp/sakimono2_tpfdjp.jpg?_i=AAaltenergy個人噛み砕きシリーズ技術連載電気新聞の昨年8月14日号~9月3日号にかけて、『電力自由化キーワード』という連載が掲載されました。そこでは電力自由化を取り巻く様々なキーワードについて解説されているのですが、中には非常に難しい内容も含まれておりますため、『噛み砕きシリーズ』と称して各記事の要点を掻い摘んでご紹介することにしました。全11本の連載記事として、毎月2本ずつアップしていく予定です。 第7弾の今回は『電力先物市場』について説明していきます。 電力先物市場 今や世界規模で導入が進んでいる「電力先物市場」いよいよ、東京商品取引所においても昨年9月17日から試験上場が開始されました。電力先物市場とは、半年後や1年後の電力売買価格をあらかじめ決めて取引を行うものですが、 今回の(試験)上場により、発電事業者や、小売り電気事業者共に、価格変動が激しいJEPXのスポット市場だけに頼ることなく、収支の安定が図れることになると期待されています。 電力先物取引は金融的取引であり、現物の調達や販売を行うことはできませんが、電気事業者は先々の電力売買価格を固定し、その月のJEPXスポット取引を合わせて行うことによって、実質的に「固定価格による調達・販売」が可能になります。 【例】電力先物取引において、事前に8月の電力を10円/kWhで購入 A:8月の決済日にJEPXスポット平均価格が20円に決定→スポット市場で20円/kWhで購入することになったものの、電力先物利益として10円/kWhを受け取ることができる為、当初見込んでいた10円/kWhでの購入が実現 B:8月の決済日にJEPXスポット平均価格が5円に決定→5円/kWhの先物損になるものの、スポット市場で5円/kWhで購入できたので、当初見込んでいた10円/kWhの購入が実現 一方、発電事業者側も「先物商品」を売ることで上記と同じメカニズムにより卸価格を固定する事が可能になります。-再生可能エネルギーの総合情報サイト-