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電気新聞の8月14日号~9月3日号にかけて、『電力自由化キーワード』という連載が掲載されました。
そこでは電力自由化を取り巻く様々なキーワードについて解説されているのですが、中には非常に難しい内容も含まれておりますため、『噛み砕きシリーズ』と称して各記事の要点を掻い摘んでご紹介することにしました。全11本の連載記事として、毎月2本ずつアップしていく予定です。

第3弾の今回は『インバランス料金』について説明していきます。


インバランス料金

電気には「ためられない(=発電 即 消費)」という特性があります。
このことから、時々刻々と変わりゆく需要(消費)に対しては、供給(発電)を瞬時瞬時で一致させる作業を、実は延々とどこかの誰かがやっています。
それが、全国に10ある一般送配電事業者です。北海道電力、東北電力、東京電力パワーグリッド…などです。
実需給の一致が大幅に乱れると、例えば停電など系統に深刻な影響が出てしまいます。
しかし、彼らだけではその重要な役割を担いきれません。現在では「計画値同時同量制度」により、発電事業者と小売電気事業者にも系統の安定に対する責任が求められています。

計画値同時同量制度

2016年4月からの電力システム改革第2段階で導入されたのは、①小売全面自由、②計画値同時同量制度、③電気事業者類型のライセンス制への変更の3つでした。
この中で、③のライセンス制で分けられた3つの電気事業者のうち発電事業者と小売電気事業者に、それぞれ需要(消費)と供給(発電)の計画を前日正午までに提出する義務を課しているのが、計画値同時同量制度です。
発電事業者と小売電気事業者は各々でなるべく高い精度の需給計画を立てるよう努力し、仮にその計画遵守が難しそうであれば、卸電力市場(JEPX)にてゲートクローズ(実需給の開始時刻の1時間前)直前のギリギリまで計画に合わせた電力の調達や売却に努めなければなりません。
ゲートクローズ前までの責任を発電事業者と小売電気事業者が負うことがちゃんとできれば、実需給一致のアンカー走者である一般送配電事業者の負担も減ります。結果としても安定した系統の維持が可能です。

インバランス料金の目的

ところで、この計画を守れなかった場合はどうなるのでしょうか?
ここでインバランス料金の登場です。
計画を守れなかった発電事業者と小売電気事業者に対しては「不足にせよ余剰にせよ、計画からはみ出た電力量に応じて事後清算しましょう。その際には一般送配電事業者への迷惑料分くらいは上乗せしますね」という料金です。
計画よりも不足が出たら不足インバランス料金として市場価格よりも高く支払い、余剰が出たら余剰インバランス料金として市場よりも安く買い取ってもらうという仕組みです。

インバランス料金01
参照:資源エネルギー庁「小売り全面自由化後のインバランス調整」『インバランス料金の当面の見直しについて』(2017年6月6日)

つまり、業者に計画遵守へのインセンティブを与えること、一般送配電事業者の需給調整コストの回収を図ること、この二つが目的になっています。
そして問題は、このインバランス料金の適正価格はいったいいくらなのか、ということです。

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