皆さんは「燃料費調整額」というものをご存知でしょうか?
自信を持って良く知っていると言われる方はそれほど多くないかもしれません。
電力の原料となる燃料費の上下変動を調整するサーチャージであるということはご存知でも、電力会社により違いがあること相まって、少し不透明な感覚を感じられるかもしれません
そこで、今回は制度設計について整理してみたいと思います。
 
電力会社は違えど、燃料費調整額の基本的な調整根拠は下記の計算式によって表せます。
 
  • 燃料費調整単価(円/kWh)=(基準燃料価格(円/kl)平均燃料価格(円/kl))x 基準単価(円)/1,000(円)
 
 電力各社が決めた基準燃料価格から、直近3ヶ月の平均燃料価格これも各社で独自に決めた計算式で計算したものを引いて差額を出し、それ各社で決めた燃料費変動1,000円あたりの基準単価を掛けて算出するものです。
 
 要は基準と思っていた燃料の価格から実際の価格の1000円当たりの差を足したり引いたりする。ということです。わかりやすい数字を使って説明すると、
 
 20,000円/klと思っていたものが、30,000円/klになってしまい、1000円の違いで電力料金に10銭反映させるとすると、
 
(20,000-30,000)× 10銭/1000円=マイナス1円
 
という具合です。
 
 ここからがポイントなのですが、電力会社各社それぞれの単価を独自で決めているということです。
ですので、電力会社によって燃料費調整額の絶対値、また変動額に違いで出てしまいます。
 
それでは、各電力会社における平成31年2月燃料費調整単価(高圧向け)を見てみましょう。
 
北海道電力 -0.15/円
東北電力  +0.55/円
東京電力  -0.35/円
中部電力  -1.75/円
関西電力  +0.92/円
中国電力  +1.08/円
四国電力  +0.74/円
九州電力  +0.20/円
    • ※金額は税込
 
こうして比較してみると大分違いがありますね。
 
これを見る限りは、中国電力が燃料費を抑えられないで中部電力が燃料費を抑えている正義」という見方をされる方もいらっしゃるかもしれませんそこで、両者の基準燃料価格を比較してみると、
 
中部電力  45,900円/kl  最高値)
中国電力  26,400円/kl 四国電力と並び最低値)
 
 となっており、そもそもの基準としているところが違うため、現在高騰している燃料代との差額がどうしても開いてきてしまいますそうなると、基準燃料はその背景となっている基本料金と電力量料金までも併せて比較しなければならない数字ということになります。
 
 

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