出典:Renault社

 

1.ESSの供給量が限られている
 
ESSとはEnergy Storage Systemのことで、いわゆる据置型(定置用蓄電池)のことを指します。
これに対して存在するのがEV(電気自動車)用に使用されている蓄電池です。
最近、東芝が住宅用蓄電池事業から撤退するというニュースがありました。
住宅向け事業が芳しくなく、自動車、鉄道、その他産業用途に特化させるためという理由です。
 
東芝に限らず、LGやBYDと言った海外メーカーをはじめとする蓄電池製造メーカーはEV向けに蓄電ユニットを供給しているため、
ESS向けの供給が限定的であるという現象が続いています。
その結果、蓄電ユニットの仕入価格は下がるどころか上がっています。
 
蓄電池システムは、大きく言うと①蓄電池本体である蓄電ユニットと、それを制御する
②BMS(バッテリーマネジメントシステム)の2つから構成されています。
原価構成で言うと①よりも②の方が実は高かったりします。②についてはコストカット可能な領域ではありますので
蓄電池システムの価格は下がっていくことは考えられますが、この先ESSへの供給が減っていった場合にどうなっていくかは
分からない部分です。
 
 
2.複雑な流通が存在している
 
これは1つ目でも触れた部分でありますが、蓄電池システムの流通を考えると、
  • 電池部分を製造しているメーカー
  • 周辺制御機器を製造しているメーカー
  • システムとして構築するアッセンブリーメーカー(電池メーカーがやる場合もありますが)
  • 一括でまとめて購入する商社(総販売元)
  • 一次卸店
  • (二次卸店)
  • 小売店(販売店)
  • エンドユーザー
というような流れになっています。
 
特に蓄電池は説明商材であることから、特に小売店の販売コストと言うことに関してはかかってしまうというのが現状です。
こう見ると相当の中間マージンが発生していることが分かると思います。
エンドユーザーと直接やり取りをする小売店や販売店は、施工を委託するケースもあるのでそこでもマージンが発生するわけです。
 
 
3.メーカーがインターネット上にはディスカウント価格を表示しないように規制をかけている
 
試しにインターネットを検索してみてください。
探してもなかなか価格表示がされているサイトを見つけることが簡単ではないことに気づくと思います。
 
蓄電池メーカーの中には、小売業者に対して「価格の均衡を保つために販売価格での表示はしないで」
という圧力をかけているメーカーも存在しています。
そのような暗黙の了解がいまだに残っていることも事実なのです。
価格.comを見ても、スタンドアロン型(太陽光発電と連携しないタイプ)の蓄電池しか出てきませんね。
この状態がいつまで続くのかは分かりません。
 
オール電化製品に関しては、もはや価格.comで探すのが最も安く買える手段となってしまっています。
蓄電池についてはまだその領域にまでは達っしていません。販売店、特に訪問販売業者にとっては最後の砦なのかもしれません。
 
 
もし蓄電池システムが相場よりも安く購入できるとしたら…
あなたは興味がおありですか?
 
(記:田中 圭亮)
 
 

自家消費、ソーラーグリッドに関してはこちら

 
 

本当は言いたくない?蓄電池容量と寿命の秘密

本当は言いたくない?蓄電池容量と寿命の秘密Part2

https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1541397676/download_sfb1fi/download_sfb1fi.jpg?_i=AAhttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1541397676/download_sfb1fi/download_sfb1fi.jpg?_i=AAaltenergy個人蓄電bizbattery  出典:Renault社   1.ESSの供給量が限られている   ESSとはEnergy Storage Systemのことで、いわゆる据置型(定置用蓄電池)のことを指します。 これに対して存在するのがEV(電気自動車)用に使用されている蓄電池です。 最近、東芝が住宅用蓄電池事業から撤退するというニュースがありました。 住宅向け事業が芳しくなく、自動車、鉄道、その他産業用途に特化させるためという理由です。   東芝に限らず、LGやBYDと言った海外メーカーをはじめとする蓄電池製造メーカーはEV向けに蓄電ユニットを供給しているため、 ESS向けの供給が限定的であるという現象が続いています。 その結果、蓄電ユニットの仕入価格は下がるどころか上がっています。   蓄電池システムは、大きく言うと①蓄電池本体である蓄電ユニットと、それを制御する ②BMS(バッテリーマネジメントシステム)の2つから構成されています。 原価構成で言うと①よりも②の方が実は高かったりします。②についてはコストカット可能な領域ではありますので 蓄電池システムの価格は下がっていくことは考えられますが、この先ESSへの供給が減っていった場合にどうなっていくかは 分からない部分です。     2.複雑な流通が存在している   これは1つ目でも触れた部分でありますが、蓄電池システムの流通を考えると、 電池部分を製造しているメーカー 周辺制御機器を製造しているメーカー システムとして構築するアッセンブリーメーカー(電池メーカーがやる場合もありますが) 一括でまとめて購入する商社(総販売元) 一次卸店 (二次卸店) 小売店(販売店) エンドユーザー というような流れになっています。   特に蓄電池は説明商材であることから、特に小売店の販売コストと言うことに関してはかかってしまうというのが現状です。 こう見ると相当の中間マージンが発生していることが分かると思います。 エンドユーザーと直接やり取りをする小売店や販売店は、施工を委託するケースもあるのでそこでもマージンが発生するわけです。     3.メーカーがインターネット上にはディスカウント価格を表示しないように規制をかけている   試しにインターネットを検索してみてください。 探してもなかなか価格表示がされているサイトを見つけることが簡単ではないことに気づくと思います。   蓄電池メーカーの中には、小売業者に対して「価格の均衡を保つために販売価格での表示はしないで」 という圧力をかけているメーカーも存在しています。 そのような暗黙の了解がいまだに残っていることも事実なのです。 価格.comを見ても、スタンドアロン型(太陽光発電と連携しないタイプ)の蓄電池しか出てきませんね。 この状態がいつまで続くのかは分かりません。   オール電化製品に関しては、もはや価格.comで探すのが最も安く買える手段となってしまっています。 蓄電池についてはまだその領域にまでは達っしていません。販売店、特に訪問販売業者にとっては最後の砦なのかもしれません。     もし蓄電池システムが相場よりも安く購入できるとしたら… あなたは興味がおありですか?   (記:田中 圭亮)     自家消費、ソーラーグリッドに関してはこちら    -再生可能エネルギーの総合情報サイト-