多種多様な機械の言葉を通訳している機械用のコンピューターなので、
インターネット用の言葉が一つ増えたところで大した問題ではなさそうですが、
まず、機械用のコンピューターはパソコンほど手軽には手に入りません。
そこに取り付けるパーツも企業での生産を前提とされるため高価です。
製品化できるのは大企業に限られました。
また、双方が独自に発展してきたため、インターネットやパソコンと、
機械用のコンピューターの両方を理解している技術者もなかなかいません。
単純にプログラムの書き方だけでなく、考え方も違うのです。
たとえば、機械用のコンピューターは電源に制約があります。
高スペックなコンピューターは電力を使うので、機械用では低スペックなコンピューターで必要最低限の動作で、
必要な処理だけを実現しなければいけないのですが、これはインターネットの世界には今はない考え方です。
しかし、大企業がIoTに先んじて機械とインターネットを繋いだ製品をいくつも生産することで、
携帯電話網やLANに機械用のコンピューターを繋ぐパーツが普及し、パーツのみを切り出して、
メーカーを問わない汎用的な製品として安価に売られるようになりました。
インターネット接続パーツを始めから組み込んだ機械用のコンピューターもあります。
また、大企業の従来の製品では、データ収集、機械制御、インターネット接続などに、
専用の機械をそれぞれ用意して接続していましたが、コンピューターが小型化し一つの基盤上で実現できるようになりました。
小さな「モノ」に取り付けることが、物理的に容易です。
昔はデスクトップパソコンで行っていたことを、今はスマホで行っているのと同じです。
そして、格安SIMの登場で、インターネット通信が手軽になりました。
そうなるとIoTのためのパーツや機器はますます普及します。
携帯電話とは異なる周波数の、機械用の無線の通信規格も話題です。
そして技術者の育成には、Raspberry Piのようなパソコンと同じようにインターネットに繋げて、
他の機器とも繋ぎやすいコンピューターが安価で市販されるようになったことで、
どちら出身の技術者も手軽に学習できるようになりました。
マニュアル書だけでなく、それぞれの技術者の知識や考え方がインターネットで共有されています。
IoTの技術が一般的になったことで、ソリューションに組み込むことが容易になりました。
これからは「IoT」を意識せずに、当たり前のものとして様々なサービスで使われていくでしょう。