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「じゃあ、うちで使ってる電気も、電線を通してうちで使ってる可能性はあるんじゃ」
「そうでしょうねぇ。ご近所も使っていると思いマスヨ〜」
 それなのにコンセントから取り出せないことが納得できないと郁実が言うと、ひなたがため息をついた。
「混ざっちゃうんだよね。電気は、何で発電しても、電気っていう同じ構造のエネルギー。だから太陽光発電を使うために、テレビや冷蔵庫を買い換えたり、コンセントを取り替える必要がないんだよ」
「そういえばそうだ……! 今まで当たり前に考えてたけど」
 コンロをガスからIHに変えるために鍋を買い換えるようなことは、太陽光発電の導入では聞かない。太陽光発電の導入に合わせてIHに変えることはあっても、鍋を変える理由は、電源ではなく、熱源をガスから電気に変えるからだ。
「太陽光で発電しても、火力や原子力で作った電気と同じ電線や電池に入れちゃうと、そこから太陽光のものだけ取り出すことはできない。だけど、どういうわけか、フォッシルズだけは再エネかどうかがわかるみたい」
「これ自体も、普通の電気でも、動いてはいたもんな」
 郁実は手の中のOrganicBerry Piを見つめた。
「俺に、これでフォッシルズから世界を救えとかいうの? ファンタジーの勇者みたいに、旅に出ちゃったり」
 全く意図せずにOrganicBerry Piを手に入れてしまったが、主人公という柄ではない。求心力も行動力も足りない。今の生活に不満もない。
 そんなに大事(おおごと)ではないと、ひなたが否定した。
「たまに、郁実君の周りにフォッシルズが出たときだけ、やってくれると嬉しいな」
「小規模で、地産地消ができるのが、太陽光発電の良いところデス。ソーラーパネルは、太陽があればどこでも発電してくれるのデス。ひとりで全部やるのでは、大きな電力会社と同じになってしまいマス」
 生活を変える覚悟はいらないと言う。OrganicBerry Piを厄介だと思う感情が軽減する。
 郁実がOrganicBerry Piを入手したことが、幸運なのか不運なのかはまだわからない。
 しかし、気が向いたときだけでも世の中の役に立てるなら、持っていても悪くないかもしれない。幸いにもひなたがいつも家にいて、太陽光発電によってコンセントを通さずに電力を提供してもらえる。
 郁実に興味と好意を持ってくれたひなたのために、OrganicBerry Piで少しだけ良い人になってみたいとも思った。

 

(記:o-qoo)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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再生可能ノベル 柴崎町4丁目の日常-1

【実録シリーズ】電力自由化 電力会社を乗り換えてみた (auでんき編)

 

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