ところが今年の8月は、極端に晴天が少なく、雨天が続いた。

そのため、太陽光発電にとっては、最悪の船出となった。

晴れている時は我が家の4kWのシステムは、3.4 kWhほど発電するが、

雨になると発電量はその10分の1、いや、それ以下になってしまうこともある。

これではとても蓄電まではしていないなと思いつつも、

様子がよくわからないため、夜も普通に電気を消費していた。

ちょうど夕食が終わってテレビを見ようかと言う時間帯だったと思う。

突然、「ガチャン」と言う音がしたと同時に、家の中が真っ暗になった。

いきなりの停電は久しぶりだ。

しかも、夜なので明かりが全くない。

何よりも、気持ちの準備がなかったために、

「これは何だ?」と東日本大震災の直後の計画停電の記憶が蘇った。

あの時も、いきなり停電したものだ。

もちろん計画停電であったので、この地区がその対象であることだけはわかっていた。

当然、「今から電気が切れる」というようなアナウンスが、

例えば地区の消防団や防災無線から流れるものだと思っていた。

しかしそんなことは全くなく、時間が来ると計画通りに停電したわけだ。

今回は、ある意味分かってはいたが、

普通の停電の感覚というものは、だんだん明かりが暗くなってスーッと消えるというものだ。

 

ところがいきなり「ガチャン」と切れた。

なぜかと言うと停電の制御をしているのはデジタル機器だからだ。

ある閾値(いきち)を超えるとオフにするという単純な仕組みである。

そのことを知らなかったため、かなり動揺した。

何とか手探りで、切り替えスイッチのところへ行き、商用電源側へ切り替えた。

 

これは良い経験になった。

久しぶりのパニック状態であった。

「災害時にはこういうことが起こるのだな」と言う、実に何十年ぶりかの経験かもしれない。

実は、この商用電源への切り替えについては当初少し心配していた。

インターネットの光回線あるいは光電話、それに接続するWi-Fi機器、

これらがうまく立ち上がるかが心配だったのが、1~2分もすれば問題なく立ち上がってくれた。

また、大部分の機器は切り替わってもそのまま作業を継続してくれるものも多い。

例えば、テレビも同じ番組が映り始める。

もちろん、いくつかの機器では途切れてしまって、最初からやらなければならない場合もある。

これについては織り込み済みなので、切り替える時にはあらかじめ一度機器を止める必要がある。

あるいは、そういう機器の仕事が終わってから切り替える、といったことが必要になる。

我が家の場合、一番面倒なのはユニットバスの送風機能が止まってしまうことだ。

赤ランプが点滅したままになる。

したがって、一度停止する必要があるのだ。

あとはインターホンの屋内モニターがピカピカと光りっぱなしになる。

幸い隣の母の居室や台所の電気製品は古いタイプのものなので、

特に面倒は生じず、すんなり立ち上がってくれた。

 

(記:小野 令)

 

 

*******************************記者紹介************************************

元構造解析技術者。地震大国日本で、原発再稼働に対して異議を唱える。

25年前から埼玉県ときがわ町をフィールドとした月イチ林業隊にて間伐、

下草刈り活動を継続中。

定年後、多摩市グリーンボランティアに参加。DIY好き。

現在はフレンドツリーサポーターズの副代表を務める。

年間50日程、山仕事に従事している。

2017年8月より自立循環型住宅(通称オフグリッド生活)にて新たな挑戦を開始。

 

【オフグリッド生活の楽しみ-第2話】電力会社から離れた生活

【オフグリッド生活(開発秘話)-第4話】

https://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1507280334/9b3f6939ce293decc424931d8ed3042f_qnlbql/9b3f6939ce293decc424931d8ed3042f_qnlbql.jpg?_i=AAhttps://res.cloudinary.com/hv7dr7rdf/images/f_auto,q_auto/v1507280334/9b3f6939ce293decc424931d8ed3042f_qnlbql/9b3f6939ce293decc424931d8ed3042f_qnlbql.jpg?_i=AAaltenergyオフグリット生活個人蓄電連載offgridhouse  ところが今年の8月は、極端に晴天が少なく、雨天が続いた。 そのため、太陽光発電にとっては、最悪の船出となった。 晴れている時は我が家の4kWのシステムは、3.4 kWhほど発電するが、 雨になると発電量はその10分の1、いや、それ以下になってしまうこともある。 これではとても蓄電まではしていないなと思いつつも、 様子がよくわからないため、夜も普通に電気を消費していた。 ちょうど夕食が終わってテレビを見ようかと言う時間帯だったと思う。 突然、「ガチャン」と言う音がしたと同時に、家の中が真っ暗になった。 いきなりの停電は久しぶりだ。 しかも、夜なので明かりが全くない。 何よりも、気持ちの準備がなかったために、 「これは何だ?」と東日本大震災の直後の計画停電の記憶が蘇った。 あの時も、いきなり停電したものだ。 もちろん計画停電であったので、この地区がその対象であることだけはわかっていた。 当然、「今から電気が切れる」というようなアナウンスが、 例えば地区の消防団や防災無線から流れるものだと思っていた。 しかしそんなことは全くなく、時間が来ると計画通りに停電したわけだ。 今回は、ある意味分かってはいたが、 普通の停電の感覚というものは、だんだん明かりが暗くなってスーッと消えるというものだ。   ところがいきなり「ガチャン」と切れた。 なぜかと言うと停電の制御をしているのはデジタル機器だからだ。 ある閾値(いきち)を超えるとオフにするという単純な仕組みである。 そのことを知らなかったため、かなり動揺した。 何とか手探りで、切り替えスイッチのところへ行き、商用電源側へ切り替えた。   これは良い経験になった。 久しぶりのパニック状態であった。 「災害時にはこういうことが起こるのだな」と言う、実に何十年ぶりかの経験かもしれない。 実は、この商用電源への切り替えについては当初少し心配していた。 インターネットの光回線あるいは光電話、それに接続するWi-Fi機器、 これらがうまく立ち上がるかが心配だったのが、1~2分もすれば問題なく立ち上がってくれた。 また、大部分の機器は切り替わってもそのまま作業を継続してくれるものも多い。 例えば、テレビも同じ番組が映り始める。 もちろん、いくつかの機器では途切れてしまって、最初からやらなければならない場合もある。 これについては織り込み済みなので、切り替える時にはあらかじめ一度機器を止める必要がある。 あるいは、そういう機器の仕事が終わってから切り替える、といったことが必要になる。 我が家の場合、一番面倒なのはユニットバスの送風機能が止まってしまうことだ。 赤ランプが点滅したままになる。 したがって、一度停止する必要があるのだ。 あとはインターホンの屋内モニターがピカピカと光りっぱなしになる。 幸い隣の母の居室や台所の電気製品は古いタイプのものなので、 特に面倒は生じず、すんなり立ち上がってくれた。   (記:小野 令)     *******************************記者紹介************************************ 元構造解析技術者。地震大国日本で、原発再稼働に対して異議を唱える。 25年前から埼玉県ときがわ町をフィールドとした月イチ林業隊にて間伐、 下草刈り活動を継続中。 定年後、多摩市グリーンボランティアに参加。DIY好き。 現在はフレンドツリーサポーターズの副代表を務める。 年間50日程、山仕事に従事している。 2017年8月より自立循環型住宅(通称オフグリッド生活)にて新たな挑戦を開始。  -再生可能エネルギーの総合情報サイト-